秋深き隣は何をする人ぞ 芭蕉

近年とみに多人数戦がフューチャーされているMTGだが、隣のプレイヤーを参照するカードはわずか数枚に過ぎない。


http://mtgwiki.com/wiki/%E7%B6%99%E6%89%BF%E9%A0%86%E4%BD%8D/Order_of_Succession

Order of Succession / 継承順位 (3)(青)
ソーサリー
「左」か「右」のいずれかを選ぶ。あなたから始めて、その選ばれた方向の順に、各プレイヤーはその選ばれた方向にいる次のプレイヤーがコントロールするクリーチャーを1体選ぶ。各プレイヤーは自分が選んだクリーチャーのコントロールを得る。


《どんでん返し/Switcheroo》や《文化交流/Cultural Exchange》と異なりクリーチャーを1:1で交換する必要がないのでタイミングを見極めれば得をすることができる。対象を取らない点も素晴らしい。このカードをさらに大規模にしたのが


http://mtgwiki.com/wiki/%E9%81%8B%E5%91%BD%E3%82%92%E5%A4%89%E3%81%88%E3%82%8B%E8%80%85%E3%80%81%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%8A%E3%83%88%E3%82%A5/Aminatou,_the_Fateshifter

Aminatou, the Fateshifter / 運命を変える者、アミナトゥ (白)(青)(黒)
伝説のプレインズウォーカー — アミナトゥ(Aminatou)
[+1]:カードを1枚引き、その後あなたの手札からカード1枚をあなたのライブラリーの一番上に置く。
[-1]:あなたがオーナーである他のパーマネント1つを対象とする。それを追放し、その後それをあなたのコントロール下で戦場に戻す。
[-6]:「左」か「右」のいずれかを選ぶ。各プレイヤーはそれぞれ、その選ばれた方向にいる次のプレイヤーがコントロールしていて、土地でなく、運命を変える者、アミナトゥでもないパーマネントすべてのコントロールを得る。
運命を変える者、アミナトゥは統率者として使用できる。


の奥義である。《継承順位》とは異なり自身が他のパーマネントを全くコントロールしていないということは考えづらいので、いく分工夫をする必要があるだろう。色的に《刻印/Brand》とも組み合わせにくいのも痛い。


http://mtgwiki.com/wiki/%E7%A5%9E%E7%A7%98%E3%81%AE%E9%9A%9C%E5%A3%81/Mystic_Barrier

Mystic Barrier / 神秘の障壁 (4)(白)
エンチャント
神秘の障壁が戦場に出たとき、またはあなたのアップキープの開始時に、「左」か「右」のいずれかを選ぶ。
各プレイヤーは、最後に選ばれた方向で一番近い対戦相手およびそのプレイヤーがコントロールしているプレインズウォーカーにのみ攻撃できる。


多人数戦のルールである「右翼/左翼への攻撃」を後付けするエンチャント。その時の状況に応じて左右を選び直せるので使い勝手は良い。またもともと「右翼/左翼への攻撃」が定められているゲームで置けば、全ての戦闘を封じることもできる。それってどうなの?という気もしないでもないが。


http://mtgwiki.com/wiki/%E3%82%B0%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%BE%E3%81%AE%E5%8F%8D%E8%AB%96/Grenzo%27s_Rebuttal

Grenzo’s Rebuttal / グレンゾの反論 (4)(赤)(赤)
ソーサリー
赤の4/4のオーガ(Ogre)・クリーチャー・トークンを1体生成する。あなたから始めて各プレイヤーは、自分の左隣のプレイヤーがコントロールしているパーマネントの中からアーティファクトを1つ、クリーチャーを1体、土地を1つ選ぶ。これにより選ばれた各パーマネントを破壊する。


さらに一風変わって、左隣のプレイヤーしか選択できないのがこのカード。ギャンブル性よりも交渉力が求められる、しかし確実に混乱をもたらす赤らしいようなそうでないような一枚。


これらのカードはもちろん多人数戦を意識してデザインされたのであろうが、より真価(?)を発揮するのが影響範囲を定めた多人数戦である。具体的にはカードの影響範囲の端とその外で「一方的に得するプレイヤー」と「一方的に損するプレイヤー」が出てくる。《神秘の障壁》であれば自分だけ殴ることを禁止され、《継承順位》であれば突然クリーチャーが誘拐され、《アミナトゥ》の奥義に至っては投了もの。別の卓から呪文が飛んでくる銀枠世界を彷彿させる事態が黒枠においても起こりうるのである。

せっかく多人数でプレイするのだから、こうしたカードで積極的に楽しんでもらいたいものだと思う。ぜひ隣に何かしてあげて欲しい。

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